ウェブ情報活用講座 その4 ネットと世論との温度差を楽しもう

インターネットにはニュースだけでなく、そのニュースについて様々な意見をやり取りする場所が存在します。一つの例として「Yahoo!ニュース」の記事にぶら下がるようにしてあるコメント欄がありますが、その内容はニュースそのものと違って場合によっては決してテレビで語られないようなクセのある意見であるケースがあります。

一般的に、公的なニュースに対して意見を述べる場に置いて交される意見の大勢を「ネット世論」と捉える向きがありますが、一般的な庶民の声を代弁していると感じる時もあれば、かなりマスコミでも自分の周辺でも言われていることと違うなと感じることがあるかも知れません。

この辺は個人の感じ方ということもあるので、どの意見が正しくて他の意見が間違っているのかというのは一概には言えませんが、ネットの大勢を占める意見に感化されてしまい、そのまま自らの考え方についてネットの意見に誘導されてしまう可能性というのは拭えません。もちろんネットの意見がまっとうな世論を形成しているならそうした意見に乗るのも悪くありませんが、もしかしたらネット世論と呼ばれるものはネットを使って発言している人たちの意見を代弁していない可能性もあります。なぜそんな事が考えられるかというと、ネットの世論にはそれを書いた人の姿が見えにくいという特徴があるからです。

例えば、インターネットでは自宅からの発信と、格安SIMを使ったモバイル通信からの発信は違ったIPアドレスを使うので、一人の人物が複数の人格を使い分けて(識別できるようにID番号を偽装する方法も無くはありませんので、同一人物か見分けることは困難です)、多数派を演出することだってできてしまうのです。MVNOの中には毎月0円で維持できるSo-netの「0SIM」のようなものや、月額298円(税抜価格 以下も同じ)のロケットモバイル、同じく最低金額299円のFREETELもあります。これだけを同時に使ってもモバイル通信の料金は月額千円もかからないで自宅のネット回線と合わせて4名の意見らしく書き込むこともできてしまいます。そこまで好んでやる人もいないとは思いますが(^^;)、やろうと思えば一人でも多数派を装ってネットにおける世論を作り出すこともできてしまうかも知れません。同じような志を持った人が数人集まるだけでも結構な勢力になるのがおわかりでしょうか。

今までネットを使っている方ならおわかりかと思いますが、このようなブログにしてもニュースにしても、あえて自分からコメントをするというのは全てのユーザーからするとかなりの少数派であり、コメントのしない人の方がはるかに多かったりします。ですから、コメントする人に一定の方向性があれば、そのコメントを見ている相当な数の人を巻き込んで、いわゆるネット世論に染まってしまうような事もあり得ます。ただ、そうした作られた世論をあくまで自分で考える際の参考にとどめることもできるでしょう。考え方ひとつで、かなり同じニュースに関して考える考え方が変わってきてしまうのではないかと思います。

そうしたネットに関する独特な状況も理解した上で考えると、ネット世論と呼ばれるものには少数派と多数派がありますが、多数派だからといってそれがいつでも正しいというわけではなく、そもそも多数派であるのかもにわかにはわからないということになるでしょうか。

これからネットを利用してニュースなどのコメントを読んで判断する際に、まずは当該ニュースと全く関係ない自分の意見を述べただけのコメントが混じっていることも多いのでまずはそうしたものとニュースに関する意見を分けることがまずは大事です。その後、賛成派反対派における自分の意識の中で読むに耐えうるものを抜き出してみて、残ったものの中からそれが多数派だからという事ではなく、あくまで自分にとって納得できるか否かという風に、冷静に自分の考えの参考にしていけば、安易にネット世論に流されずに自分の意見を持つこともできるのではないでしょうか。

それと、これはネットに限ったことではない話ですが、本当に重要な話というのは、簡単に白か黒か結論を付けることが難しいものがほとんどです。それをいとも簡単に結論を出して片付けてしまうような意見は、他人の意見をくみしない排他的な部分を持った方の意見であるということも確かなのです。

話し合って意見交換をすることがお互いに感情的にならずにできれば、自分の出す意見と相手の出す意見をたたかわせていく中で新しい考えが生まれることがあり、たとえ自分の考えとは全く違う人とのやり取りの中でも何かしらお互いに得るものが出来るはずです。しかし、差別的な言葉だったり罵倒の連続などで対応されてしまうと、とても我慢できずお互いに感情的になってディベートを続けられないケースがネットでの意見交換の場合はほとんどなので、ネット上での罵倒の応酬になっているようなケースを見掛けても、あえてその中に入らないようにした方がいいでしょう。

また、自ら討論に参加していなくても、一連の発言を読んでいるだけでもネットの中で起こっている罵倒や荒らしの応酬に腹を立ててしまう事もあります。しかしそんな事を見ても実生活で何も解決することはできないわけですから、ネット上の論争に引っぱられることなく、自分にとって有益な部分だけをうまく利用するということを第一にネットを使うことを考えるようにするといいと思います。

ちなみに、マスコミによる世論調査として出てくるネット世論ではない一般的な世論と呼ばれるものは、主には電話での世論調査によって形作られています。突然自宅に電話がかかってきて、用意されたアンケートに答えさせるというある意味電話の暴力とも言えそうな方法であっても律儀に最後まで答えてくれる人たちの善意によって世論調査というものは成り立っています。また、選挙報道で投票が開始されてすぐに当選確実が出てしまうのも、出口調査で律儀に自分が投票した候補や政党をそのまま伝えてしまう人たちの善意によって形成されています。

ネット世論というものも、極端で過激な意見を取りのぞいていけば、一般的な世論と近くなっていくと思われますが、そうした普段の生活の中ではなかなか出てこない意見を見られるというのもネットの特質であるといえばそういうものなので、極端な意見の中に見るべきものがあればそれを取り入れて自分の考えに生かすというのがネットの利用方法としては面白いものになるように思います。


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