Y!mobile その1 取り扱う2つの回線の違いについて

このブログでは主にMVNO業者をどう選ぶかという観点からさまざまな所を紹介しているのですが、印象的なテレビコマーシャルで、携帯大手3社と言われるドコモauソフトバンクとは違った安さを強調する「Y!mobile」という会社は格安SIMを提供する会社なのかどうなのか、にわかにはわからないという方も少なくないのではないでしょうか。

その答えは、これから説明する会社の歴史をひもといていけばおのずと明らかになってきます。イメージとしては携帯大手3社に準じ、自前の回線を持っているいわゆる「第四の通信会社」であると言えるでしょう。格安SIMを提供するMVNOは回線をドコモやauから借りている立場なので、貸主が許可しないことを自由に行なうことはできないという制約があります。まあその分、MVNO業者には回線を管理する費用を出さなくてもいいので料金を安くできるということはあるのですが、回線を全て管理できるということは速度規制面での有利さはあるでしょう。

では実際にどういう回線を持っているかということですが、「Y!mobile」という会社は以前存在した「DDIポケット」から名称変更した主にPHS業務を扱っていた「ウィルコム」と、携帯電話の電波の帯域の一部を使ってデータ通信専用の事業から始めた「イー・アクセス(イー・モバイル)」が一つになって、ソフトバンクが出資して再出発した会社です。したがって、かつて「イー・モバイル」が提供していた主にスマホで使われる携電電話(3Gや4G LTEとも言われます)の電波と、主にガラケー端末を使った通話中心のサービスを提供するPHS回線という2つの違った回線を取りあつかっているというちょっとユーザーにとってはわかりずらいところがあります。

そもそも、携帯電話の電波でないウィルコムという会社の持っていたPHS通信網とは何かという風に思われる方もいるでしょう。これは元々、以前から自宅の家用に使われていたコードレスホンの子機を外に出して外では独自網、家では自宅の固定電話というように微弱な電波を使って外でも家でも気軽に使える移動電話システムとして出てきた規格です。サービス開始時の基本料金も当時の携帯電話と比べると格安で、家の固定電話に付けるための親機や、子機をそのまま持ち出して外でも使えるホームテレホンタイプのものも同時に売られていて、新たな安く使える移動電話として期待されていました。

それに対して携帯電話の仕組みというのは、元々は自動車に乗せるための自動車電話として始まりました。当初から車による移動をしながらでも繋がるように、高出力の基地局一つで多くの地域を面でカバーするような形で進化していきました。このため、サービス開始時には多額の保証金を払って利用することが求められたのです。その後も携帯電話の基本料はそこそこ高かったのに対してPHSは基本料が比較的安価で、あくまで小出力の基地局を点在させることによって、かなり多くのアンテナが街中に立つなど、市街地から整備されていきましたが、限られた場所でしか使えず移動に弱いという事がネックになり、さらに携帯電話自体の維持費が安くなっていったことから、ほとんどのユーザーが携帯電話に吸収されていくことになるのです。

ただ、「ウィルコム」が携帯電話会社に比較して何とか魅力を出すようにと作られたものに「誰とでも定額」という通話オプション機能があります。10分間までなら月300回はオプション料金のみで通話できるというこの機能は、今では「Y!mobile」の売りの通話オプションとしても利用可能になっており、PHSでない携帯電話回線でもセットされたものが売られています。

という状況を見た上で今後のPHSに未来はあるのかということを考えると、魅力的なオプションそのものが携帯電話でも使えるようになってしまった今では、ほとんどの人が使う場合においてメリットが無いように思えます。しかし、テレビドラマで病院をテーマにしたものがあった場合に注目して欲しいのですが、お医者さんや看護師さんが使っている電話はほとんどがPHSです。これは、近くて小出力の基地局との通信ができればいいようにPHSが作られているため、電話機本体が出す電波も弱く、誤作動の恐れのある心臓のペースメーカーのそばでも問題なく利用できる端末が多いということがあります。この差というのはいかんともしがたい所があり、特別な用途ではまだ利用されるケースはあるでしょう。

ただ、一般ユーザーが使う場合PHSを新たに契約するケースというのは特別に何かない限り新たに契約することはないでしょう。ややこしいのですが、以前は「Y!mobile」が出している端末は「ケータイプラン」として出ているガラケーは全てPHS回線だったのですが、最近になってソフトバンク網が使える携帯電話(3GとLTE)の通話のみの新たなケータイプランも登場してきました。お店で契約する場合、あえてPHS回線をすすめられることはないとは思いますが、新たなケータイプランでないと「Y!mobile」のユーザーやソフトバンクユーザーとと午前1時から午後9時まで無料で電話したいというような場合は従来の「ケータイプラン」であるPHS回線では全て有料になってしまいますので注意しましょう(だれとでも定額を付けた場合を除く)。

ちなみに、ネットショップの品揃えでは「DIGNOケータイ」「AQUOSケータイ」の2機種が携帯電話の電波が使える端末になります(2016年2月現在)。改めてこれらケータイプランについては説明していく予定ですが、くれぐれもPHS電波しか使えない端末を間違って申し込まないようにまずは注意して下さい。


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